全国の里山に眠る有用植物の蒐集、その歴史や価値の記録、そして植物達の新たな活用法の探究結果としての製品発表。これらは我々の活動の基礎を成す、半永続的な行為である。例えば千葉の房総半島には日本原産の胡椒が眠る。沖縄の山原には国産のシナモンが。日本の植物は、あまりに美味く、面白い。

全国各地で手に取り集めた有用植物達が一箇所に集まる“生きた植物園”としての「見本山」を日本草木研究所の手で作る。その山を訪れた人は、里山植物の可能性に触れることができる。

上記の其の一から其の三が目指す所は、一貫して「日本の里山植物が、当たり前に食卓や生活の中に登場する未来の実現」である。その過程では、土地の草木を用いた商品開発・ブランディングでの植物を通した地域活性や地域の草木を活用したニューグリーンツーリズム事業も行う。明治以前、日本にスパイスという概念は無くカレーが存在していなかったように、今は針葉樹林で鶏肉を味付けして焼くことはピンとこないかもしれない。しかし近い未来、調味料として台所に里山の恵たちが並ぶことを、そして好きな香水のノートとして日本の香木がムスクと並ぶことを夢見ている。