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Spingle

Art direction / Copy writing / Creative direction / Editing / Graphic design

SPINGLE MOVE Rebranding Project

そこから見えてきたのは、自分たちのこだわりとお客様の抱く感情の乖離だった。SPINGLE MOVEは、職人が手掛ける日本製ハンドメイドスニーカー。足を柔らかく包み込むような履き心地が特徴で、10年以上もの間この靴を履き続けているという方も少なくない。しかし、ブランド設立20年の節目を前にふと立ち止まってみると、会社が大きくなるにつれ、皆が同じ意識を持って進むことがだんだん難しくなってきていた。同時に、なぜ多くの人が自社の靴を好きといってくれるのかも、理由が分かっていなかった。我々が何者なのかということさえも。SPINGLE MOVEのこれまでの20年を見つめ、良いことも、足りないところも、嘘のないありのままの現在地を確かめ、これからの20年を見出すきっかけの一冊となるブランドブックを作成した。HARKENではブランドブック全体のディレクション、編集、デザイン、コピーライティングを一貫して行なった。
Specs
  • Date
  • 2022
  • Client
  • 株式会社スピングルカンパニー
老舗ゴム加工メーカー、60年目の挑戦

その軌跡は、ゴム加工の技術に遡る。モノづくりが盛んな備後地方、広島県府中市。この街にゴム加工メーカーである株式会社ニチマンが創業したのは遡ること90年前、1933年のことだった。ニチマンではゴムタイルを主力に、ゴム長靴やゴム底布靴、学校ぐつなど、当時から足元にまつわる様々な商品を展開してきた。当時、海外ブランドスニーカー、低価格のカジュアルスニーカーが次々と台頭。そんな折、当時の社長の「二チマンではできないことを新しくはじめたい」という一言をきっかけに5〜6人程度のメンバーでスタートしたのが株式会社スピングルカンパニー。5年の歳月をかけて商品開発を重ね、2002年にブランドが誕生した。

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断る。やめない。技術への自信。

SPINGLE MOVEの価値について、社内で幾度となく話し合った中で見えてきたのは、自分たちは真面目、丁寧、実直だということ。 バルカナイズという非常に手間のかかる特殊な手法を用いて、一つ一つの靴をとにかく丁寧に手作りし続けてきた。「巻き上げは売れない」と言われ続けても頑なにやめない。「巻き上げをOEMでやらないか」という話はすべて断る。そんな職人気質が軸にあることが見えてきた。

履くと、気持ちが軽くなる。

「SPINGLE MOVEを履くと、気持ちが軽くなる。」ある店舗にいる社員の一人が、ある日そんな言葉をかけられた。「はじめは、試しに試着しただけだった。でも、履いた瞬間にわかった。今まで感じたことのない感覚が足全体を包み込んだんです。」実はこういった声は店では非常に多い。お客様と最も長い時間を過ごす店舗からの声の数々。自分たちがやっていることは、ただの靴づくりじゃないということに、気付くきっかけとなった。

技術を誇る私たちと、体験を語るお客様。 そこにはどうやら乖離があった。

今までその「品質」を高く評価されてきたSPINGLE MOVE。特殊手法であるバルカナイズこそが自分たちの良さだと疑うことはなかった。けれど、お客様にその魅力を聞くと、SPINGLE MOVEの良さは「履き心地の良さ」だと皆が口を揃える。バルカナイズであることは、履いてくれている方々にはあまり関係のない話だったのだ。自分たちのみている景色は少し、狭かったのかもしれない。

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製品軸(もの)から体験軸(こと)へ。 大切なのは広義の「心地よさ」。

自分達の魅力を掘り起こすこと、お客様の声を聞くことを通して、SPINGLE MOVEは単に靴を作っていたのではなく、靴を通して心地よい体験を作ってきていたということに気く。狭い製品軸(もの)の考え方から広い体験軸(こと)の考え方へ、視点をかえるとなんだか、新しい景色が見えてきそうだ。そこで私たちは、スピングルの社員100人の抱く心地よさを聞き取り、そこからSPINGLE MOVEの抱く心地よさの正体を見出すことにした。

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踏み出す無数の心地よさ

「地域に根差す場づくりをしたい」「世界に通用する日本スタイルの発信地になりたい」「靴の素材の全てを社内で作ってみたい」…こうしてひとりひとりの思いを紐解くと、SPINGLE MOVEがこれまで愛され続けた理由がわかったような気がした。これからの20年は、皆で導いた多様な心地よさを軸に、ひとつの活動体として、明確な未来を描きたい。そんな全員の想いによって、これまでの20年を振り返り、今を知り、これからの20年を築く礎となるブランドブックが完成した。

Creative
  • Creative director
  • Rie Kimoto
  • Art director
  • Hiroto Oda
  • Designer
  • Hiroto Oda
  • Photographer
  • Nanato Yamada
  • Illustrator
  • Yuki Maeda
  • Director
  • Kozo Kawamura
  • Director
  • Ken Taguma
  • Executive director
  • Makoto Tanijiri
Printing
  • Printing
  • 藤原印刷株式会社

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